激動の日々の記録。

・・・今月は、本職である通訳の現場スナップをお届けします。
私の専門は技術関係ですが、最近はグルメ分野や、
企画全体のコーディ ネートも関わっています。

この1ヶ月は、それこそレーザー発生器からチーズ工程同行まで、
振幅の大きい日々でした。
友好関係ができて、自分の身体の一部になって来たデジカメで
記録して行きます。

イタリアの隠れた素顔を楽しんでください。


1=技術通訳現場にて。レーザーカッターの心臓部、
2800Vの二酸化炭素レーザー発生管。
冷却水が循環するガラス管の中に閉じ込められた妖しい光。
安ければ、寝室に一本欲しい美しさ。
2=その夜、技術者をマントヴァの広場に連れて行ってあげる。
夏時間の歴史的中心部の戸外で食べる贅沢。
仕事だけの出張で、ホテルでピッツァの持ち帰りを食べていた2人は、
専門的教育程度は高いが、文化的教養程度は高いとは言えない。
富む国の貧しさ・・・国の繁栄を支えて来た技術者が心底から感動して
いたのが伝わって来たので、連れて行った甲斐が!
3=料理研究家、北村光世さんのパルマ郊外のお宅に招かれて、
日本人のジャーナリスト、シェフと一緒に地元生ハム祭りのゲストとして参加。
2日間、ハムとチーズを学ぶ。
料理に関するいろいろなエピソードが聞けてとても有意義な2日間だった。
4=パルミジャーノの工場にて。
設備は近代的でも、基本は手作業。
一日28個しか作れない、それは生真面目な工程。
5=技術通訳現場、フェッラーリの運転講座。
これから3人乗りのF-1にてサーキットを300km近いスピードで体験する前の
緊張したセッティング風景。
とにかくその音が凄いが、紙オムツが必要なくらいの強烈な速さで走りまくる。
6=フェッラーリ講習会の同時通訳ブース内部。
座っているのはカリスマドライバーだったアンドレア・デ・アダミッチ。
まもなく日本人の団体が来て、運転講習が始まる前の緊張したひととき。
初めての人はションベンちびる恐怖の同時通訳商売。
私?もう慣れたので楽しんでます。
7=京都のレストランオーナーK氏がイタリアにブドウ畑と無人屋を購入、
その契約に関わる通訳。
この無人屋は全部壊して建て直すことになった。
いろいろな事をクリアして進めて行かなければならないプロジェクトをコーディネートする。
このオーナーと中部イタリアの美味しい店、ワイナリーや荘園を巡る1週間ツアーを開始。
8=ブドウの収穫作業視察。
高級ワインにすべく、少しでも悪いところは手作業で取除いている。
食卓に載るまでの長い旅の始まり。
9=アドリア海ペーザロのバーにて。
砂糖の小袋をギネス的に積み上げ るのは「俺しかできない特技!」か、誇らしげ。
でも後ろのパネルのように、実はみんなから馬鹿にされて笑われているのではないか、
と心配になった。
10=イタリアでグルメガイド3番目の得点を誇る店の前菜。
8種類のスプーンで味の饗宴に酔う。
11=グッビオ経由でオルヴィエートに抜ける。快晴の空に大聖堂が美しい。
額装道の大作。
12=繊細な浮き彫り群。声が聞こえて来そう
13=街角スナップ。白い石壁の隙間に窓を嵌め込んだ事が判る。
それから上の階を足した事も。
・・・壁には歴史が在る。
14=光が切って行く色の洪水。これも装飾道の成果か。
15=岩盤を60mの深さでくり抜いた井戸、底の水面に映る青空。
かなり怖い穴ですが、穴はだいたい、どれも危険です。
16=例の岩盤都市群を巡る。
見晴らしの良いレストランで食べた昼食のテーブルから撮影
味は良いがサービスが悪い。
17=「死に行く村」には赤が似合う
18=「ブルーノ、そこじゃない,もっと右だ、ウマく形づくれよ!」
と手前のボスから指示が飛ぶ。
ブルーノは幅30cmくらいの塀の上 で苦戦中。
「死に行く村」で死ぬんじゃないよ・・・と心配。
19=ピティリャーノの店Tにて。ここ半年で料理が洗練されて、
さらにウマくなっているのにビックリ。
ウサギのテリーヌだが、繊細で絶妙な作品。
20=例の宿からの夜景。昔の人は偉かった。
21=トスカーナの丘を縦断してピエンツァへ。
宮殿の修復が終わっていて、中庭に入る。
清楚な美しさに打たれる。
22=キャンティの荘園に泊まったら、近くに日本人が居るおいしい店がある、
というので食べに行く。
そこで知り合った日本女性N子 さん夫妻のワイナリーを翌日訪問して驚愕。
億万長者の規模で、自宅 (この建物!)のまわりに20棟のミニアパートが散在している。
自宅 の領地の中では携帯電話で配偶者の居所を知るという、とてつもなさ。
23=K氏をボローニャ駅まで送る。3番線と4番線の時計が並んでいるが、
正しい時刻は、ちょうど二つの真ん中くらい。
これを見ると、時間というものは常に水のように流れている物だから、
我々には正確に掴めないものだと気がつく。
このユルさが、イタリアの魅力だ