ナポリ:この混沌とした、豊穣な小宇宙。


3年ぶりにナポリを訪れました。今回は料理家の枝元なほみさん一行の「ナポリ近郊の食文化ツアー」です。
日本側から出された企画書にあわせて、店と料理を決め、日程、アポ取り、クルマ手配、
宿予約と言うことを出来る所まで追い込んで・・・結局最後は現場対応で乗り切るわけです。
というか、事前にビッチリ決めてもイタリアではその通りにいかないので、意味がありません。

そういう意味では、ハプニングを楽しみながら、ドキドキの一週間でした。
幸いにも、誰も倒れず、機材も盗まれず、何より誰も行方不明になる事無く終了しました。

この街のエネルギーにはいつも元気づけられます。自分が前向きになって行くのがハッキリと判ります。
イタリアにあって、イタリアでない、この路上劇場都市の様子をお伝えします。


1=ピッツアの本場ナポリでも一番の名声高い「ダ・ミケーレ」の3代目、ルイジ氏、現役、84歳!。
でも気持ちは最初に竃の前に立った17歳だ、という万年青年。
店は昼前の11時から行列が続く。
そして、この専門店にはなんと、2種類しかメニューが無いのだ。
「ピッツアはその生地を味わうもの。
上にごちゃごちゃ載せるトッピングの"受け皿"では無い!」
という持論を検証するには、あなたも並ばないと!
でも今後、他の店のピッツアが美味しくなくなるから止めときなさい。
世の中には「知らない方が幸せ」と言う事が良くあります。
2=・・・と、その店の前、クルマのハンドルには泥棒よけがガッチリと!
あなた、この街では気を抜いたらヤラれますよ!
でも、カギ掛けるほどのクルマかよ?
3=小さな中庭にも色と光が氾濫する、昼寝の時間だ。
白ワインのほろ酔いで、好きな人と昼寝!
これに勝る贅沢はありませんなー。
4=下街の路地を歩く「スパッカ・ナポリ」に案内する。
  1:カバンは前にしっかり持って、
2:スキを見せないで、
3:ボクの指示に従ってください、
とナポリ散策三原則を叩き込んでから出かける。
土産物屋も、全て手作りのものばかり、見ていてほのぼのして来る。
5=路上の飲み物売りカウンター。
奥にあるキリストの額、ネオン付き。
信仰深いナポリ人達。
6=「パン、ワイン、トマト3ヶ」なんて書いたメモを入れたカゴを3階から降ろして買物する主婦。
  どんなテラスにも付く小さな電動モーターと、
外せばそのまま買物カゴになるキットを作れば売れるかな・・・と思うボクは、
まだ日本人あるよ。
7=ガラクタ屋でも主役はキリストとマリア。
だいたい、こういうものを並べている場所が、教会の裏階段だったりして、
もう、笑えてしまう。
カネもらっても要らない、と言いたいものが半分を占める。
8=路上に根を張りそうな食料品店。
イヤー、でもあそこにずっとブラ下げっているパスタは食べたくないなー。
値札なんか雨に当たったのか、波打ってるもんね。
9=来ました、アメリカ人団体の「下街ツアー」一行が。
緊張して、列を崩すことなく、黙々と行進してました。
10=何故かスクーターが寝ているナポリ。
11=小型車に7人乗り、問題なーい!。
信号?「赤は、注意して進め!」だと地元の人が教えてくれた。
12=ミラノのガレリアのパクリ物か?とても可愛い感じで、面白い。
13=イタリア3大カフェの「ガンブリヌス」。
外のテーブルでいろいろ甘いものを試す。
ジェラートもナポリ生まれ。
コーヒーも絶品。
喰い倒れしたい街のひとつだ。
14=テーブルの反対側で、演奏する親子。
この6歳くらいの女の子が、1時間近く立ちっぱなしで、
アクビしながら、全くリズムに合ってないタンバリンを叩いていたのには感服した。
「パパ、もうイヤだ、帰ろうよー」という言葉はついに出て来なかった。
取材で余ったお菓子を全部あげた。
15=ピッツア・マルガリータ発祥の店「ブランディ」にて夕食。
この2人がナポリ民謡を果てしなく演奏する。
気持ちよく酔って来る。
ボクも仕事なので思い切り飲めないのが辛いところ。
16=市場に出かける。
威勢のいい声が響き、路上を店として張り出している。
タコなんか生きて泳いでいたりする。
写真がいくらでも撮れる朝。
17=路上の臓物屋さん。
共食いはしないけれど、何でも食べる人間って、スゴい!。
18=一人で行った、ナポリのアブナい地区路上の店で、絶品のタコサラダに遭遇。
さっそくオバちゃんにレシピを聞いた。
長くて20分だそうだ、ゆで時間が。
ボクはもう2年ほど1時間15分でトロトロに軟らかいタコを作って来たのでビックリ。
オバちゃんとタコ談義をした昼下がり。
この店のワインのマズさが最高だった。
幸せな時間が流れる。
19=水牛のチーズ、モッアレッラ工場見学。
後に作り立てを食べる。
今までの物は何だったの?と言うくらいウマい。
これをワサビ醤油で食べると、もう、最高。
20=イスキャ島に渡る前、埠頭でのかき氷屋台。
レモンとかオレンジがうまいので、きっとウマイんだろなー。
いい大人が、仕事中なのにノンビリ食べている。
サボってちゃダメよ。
我々は満腹で、食べられな かったのが残念。