1=日本から帰り、一ヶ月ほど、ボランティアで無名若者ジャズバンドの運転手、録音係、写真撮影係として一緒に演奏地を廻る。
この日は、ボローニャ郊外の路上芸人達の共同体での演奏。
世界各地から集まった、レベルの高い出し物が続く。
会場に入って驚いたのは、この雰囲気!まるで60年代、ウッドス トックそのもの。
「まだこういう人種が残っていたのか!?」と、一気に安らいで行く。
2=個人ツアーで「ボローニャの工業発展史と戦後近代史」に重点を置 いたコーディネート。
これは「産業博物館」での養蚕工程を自動化した機械。
ここからボローニャの機械産業が生まれて行くのだ。
3=日本のオフクロの容態は最終段階。
電話を切らないようにと、姉か ら言われていた。
オフクロ危篤の時にボローニャの墓地視察というのも、巡り合わせか。
この写真から4時間後、ボローニャ郊外でナチスに一般市民 1700名が虐殺されたマルザボット村で通訳中にオフクロが逝ったと電話 あり。
この1700名と違って、苦しまずに旅立ったことに感謝し、そのまま通訳を続けたので誰にも悟られなかった。
4=仕事が詰まっていたので葬式にも帰国せず。
オヤジの時もそうだった。
「親不孝のモデルケース」として地獄のエンマ台帳に登録されるかも知 れない。
でも海外に住む者は、いろんな意味で親不孝だからね。

さて、オフクロが逝った翌日、通訳中にイタリアでも犬三匹散歩の方を 発見。
でもこの方(オトコ)の場合は、左手に2匹、1匹はフリー という形。
それにしてもなぜ同じような犬ばかり?
4=カルボナーラを極める1週間、いろいろ試す。
これが豚の頬肉、グアンチャーレ。
ベーコンよりは脂身が多いし、赤身 も硬くない。
これが入手できれば、本物カルボナーラの成功は5割は確保だ。

スーパーでも売ってないところが多い。
これは地元のハム工場で買ったもの。
それに羊のチーズ、3色コショウの「本物カルボナーラセット」を 2セット、日本に持ち込んだのは先月号でお伝えした通り。
5=これが出来上がり。スパゲッティ編。
ローマではショートパスタで 食べる。
と言っても、レストランのメニューにはスパゲッティしか載ってないかも。
「無知な旅行者に合わせているのさ」とウエイターが言っていた。
6=これが本物、リガトーニ編。
スパゲッティだとくっついて、カタマリになってしまう。
リガトーニだと、黄身が穴に入って、ウマく絡むので、正解。
「今までのカルボナーラって何?」となることは実は不幸の始まりですが、食べに来ますか?
 
7=某レストランの厨房にて作った時の前菜盛り合せ。
10種類を 少しづつ食べ比べするべく考えた。
この日は焼肉のタレ(自作)に漬けたラム肉のスカロッピーナとナスの挟み揚げがメイン。
8=アドリア海の歴史的街アンコーナでイタリア貿易省主催の視察通訳。
前日に現地入りし今日から仕事の朝、朝食ルームから。
連日、夏のような天気で半袖シャツも持って来なかったことを後悔することになる。
9=4星ホテルのパノラマ朝食ルームでアンパンを食べるというのも、
アタシ国際的でしょう?
日本からのお客さんに頼んで成田で買って来てもらった。
食べたいのは これだよ、やっぱり。
10=歴史的、伝統的手工業がテーマの視察団なので、「え、これが?」というような場所へ案内される。
まずはこの一帯で世界的レベルなアコーディオンを集めた博物館。
11=古典的レースの修復。
こういうのを楽しめる階層が残っている社会は、文化的に見て、まだ救いがある。
12=手織りの工房。
もう中国製のニセモノに淘汰されたかと思っていたよ。
13=昔ながらの機械であえて今でもやっているのは何故か、考えてみる。
「忘れ去られたモノにこそ,忘れてはいけない何かがある」。
誰の言葉?オレだよ、スンマセン。
14=世界で一冊しかない特製自作本を作る工房。
自分で写真も撮ってしまうそうだ。
感性が鋭いので見ていて楽しい。
15=そのアーティストがこの方。
作品は繊細で素晴らしかった。
そしてまた、僕が今までの人生で会った最も身長の高い女性で 192cm。
ヒールを履くと2mに達するそうだ!。
バレーボールの元選手。
大柄だけれど、とても優しくてかわいらしい人だった。
16=マルケ州のあちこちにゴロゴロしているのが古城。
当然視察で す。
これは600年もの。
映画のセットと言うかテーマパークと言 うか。
とにかく本物は凄い。
17=トリュフの季節到来。
当然試食です。
でもねー、トリュフとチー ズを一緒にしないで欲しい。
溶けたチーズと組ませたメインディッシュも出た。
アメリカ人は「オー、デリシャス!」と感嘆していたが、そんなことでは味音痴ですよ。
トリュフは香りが命!
極端な話、女性も香水無しで食卓に就くくらいで ないと、心がけが今イチ。
味わうというのは、そう言う真剣な世界だもの。
18=いろいろな工房や店舗視察の合間のちょっとした風景がたまらな い。
これは市場で。
19=そして小さな村の片隅のベンチ。
やっぱり時間がゆっくりと流れて行くイタリア。
20=翌週はドイツ、ミュンヘンへ飛ぶ。
今さらのプロペラ機。
「大丈夫かいな?」と思ったが、エンジンの真横だったので面白かった。
雲の下はドロミーティの夜明け。
曲はもちろん「エコーズ」だが、今日はその前に「狂ったダイアモンド」からメドレーで行く。
21=レンタカーでアウグスブルグの街へ。
キレイすぎて、感心ばかり。
22=整然とした街。
色もデザインも空気も。
やはりドイツだな、と肌身で感じる。
23=郊外の民宿の朝食。
朝からバターの一軍と一戦まみえる。
こりゃ 太るぜ。
ほうじ茶と湯沸かし器セットを持ち歩いているのは正解。
24=素敵なジュース入れ。
この辺のセンスはさすがにモダンでイカす。
25=見本市視察の仕事中のスナップ。
ブースで爆睡する中国人。
お疲れなんだよね、判ります。
過労死しないようにね、アジアの人たち。
26=歩き疲れた、早めにメシだ、オー、凄いコーナー!
さっそくここ に決める。
27=この国でも豚は「聖なる豚様」であった。
これを分厚く切ってもらって、バイツェンビールとポテトで昼食。
28=夕方に近くの村に寄る。童話の世界。
こういう路地で子供の時から育った人が渋谷、新宿に行ったらそのショックは凄いよね。
29=繊細にして印象的な配色が並ぶ通り。
ゴミの無さも凄い。
こういう美しいところでは落書きする勇気も出ない。
街を愛することが いかに大事な事か。
30=やはり、外車には外国の通りがさりげなく似合う。
当たり前か。
31=大事な人を無くした今年の夏だったけれど、気が着けば、もう秋も過ぎようとしていた。
僕ら、死ぬ為に生まれて来たし、遭うは別れの始まりだもの、仕方ないさ。
ひねくれた性格の自分は、季節外れの海水浴場とか、真冬の無人の避暑地なんかが好きなので、こういう淋しい風景がたまらない。
32=見本市会場近くは宿が満室なので60km離れた温泉地に滞在。
村道ではカボチャの自動(?)販売システムが!。
勝手に選んで、自己申告でおカネを払って、持って行く。

でも、いくつ でも持ち逃げ可能だ。
これは、イタリアでは無理だなー。
あなた、こんなのがナポリにあったら、この駐車スペースに路上バーベキュー屋台が3台は並んで大繁盛ですよ!。
え?第一、カボチャのおカネ払わないで持ち逃げだって?

そんなことは ないでしょう。
カボチャよりは、その料金箱をセメント埋め込みのバケツごと持って行くだろうけれど。
33=完璧に外れた夜。
たまには、あるんですよ、そういう時が。
ま、次の出会いに希望を捨てないでさ。
この味の振幅でガマンできるドイツ人は、ある意味で凄いけど。
34=最後の夜、イタ飯屋的名前の店に行く。
これは前菜。
ホタテにイクラ。

良いんだけれど、クリームソースが余分。
素材で勝負しているのだから、オレとのガチの勝負を邪魔しないで、っ て感じ。
35=エビは冷凍。
パスタは手打っぽかった。
一口目はウマいんだけれど、ここでもクリームソースが甘ったるい。
食べ進むにつれて飽きて来 る。
36=食べ終わったところ。
これだけのソースが下にある。
クリームを 入れればウマくなるけれど、味をごまかしていることにもなる。

考えてみたら、結局、油系にバターを使う地方は、クリームにいとも簡 単にシフトして行くのだろう、と判った。
食後、バターの甘ったるいソースのゲップが上がって来るのは結構こた える。
37=リンゴトルタ。アイスクリーム載せ。
生地はウマかった。ホカホカ。
リンゴが厚過ぎで残念。
38=ミュンヘンに戻る途中。
雪が降って、凄い風景が広がっている。
パステル画でいかが?
39=サービスエリアにて。
犬3匹シリーズ。
両手で6匹というのを見てみたい。
40=息子がウルビーノの美術大学に進んだので引っ越し手伝い。
ついでに街をひとまわり。
ラファエロの生まれた街で、可愛い店がある。
これは壁掛け時計屋さん。 
目玉が一斉に動いているのでかなり不気味。