イタリア便り 特別編
卓上の小宇宙群・その1
ここ2年間、僕の眼下に展開し、そして身体の中を通り過ぎて行った小宇宙たち。
テーブルと言う名の、白く四角い大陸のむこうには、君や、あなたや、
あの人が居てくれた。
それらの小宇宙には、どれも造った人の愛情と、感性が満ちていた。
「美しい味」と書いて「美味しい」のだな・・・と
この年になっても、 無神経で無知な僕は、毎回自分のレベルの低さを恥じらうようにワインに逃げ込んだりした。
語らいや、ざわめきや、沈黙や、涙があった。
そしてまた、夏の長い夕暮れや、真冬の暖炉や、海辺の風や、山の空気
があった。
イタリアで食べる料理・・・それがイタリア料理なんだと思う。
そのほんの一部をお届けします。
また、いつか一緒に、ね。