イザベラ・デステの街、フェラーラ。
「知ってる?フェラーラ人って、白ブドウをなかなか摘まないんだ、な ぜかって?赤くなるのを待ってるからさ」
ボローニャから北に50km、フェラーラはボローニャ人に言わせる と「ガンコものの街」。
「あそこだけには住みたくない」と言われるのは、冬は全てが霧の中、 夏は売るほどの蚊が発生。
頭の固さではベニスとかマルケ州と良い勝負・・・と悪い事ばかり。

でも、元妻の親戚があるので80年代から何度も訪れ、その静かな 美しさには心惹かれるものがありました。
イタリアで一番自転車が多い街。
子供は、大人になるまでに数台、乗り 換えるそうだ。
「イタリアで住みやすい町」の常に上位にある、この小さな街を「初め ての訪問者」の目で撮り直してみました。

カメラはあえて、4年前のコンパクトデジカメ600万画素。
なー に、弘法は筆を選ばずだから大丈夫、ダイジョウブ!。 ・・・と自分に勇気を与えるが、結末はいかに?
(文字変換をまちがえると「工房は酒を選ばず」という格言ができそう で怖い)


1=大聖堂。整然とした美の旋律。
しかし、超望遠レンズで細部を「腑 分け解剖」して行くと、様々な「遊び」が隠されているのが判るに違い ない。
それらは無名職人達のメッセージか?
2=ファサードには圧倒される。
重厚であるが、リズム感がある。
3=やはり、本格的に撮り始めようかと思う。
ただ、超望遠レンズで橋 本家の次男坊「学くん」を持参しないと細部が撮れない
。カメラとレン ズで5kg、三脚が5kgなので、クルマでないと移動できな い。

市内の交通規制地区に入る許可を毎回取ると大変な金額になる、
文化財撮影許可を申請しないとならない・・・という悪循環に落ち入って 諦めることになる。
イザベラのような、大スポンサーが必要です。
4=ボローニャの大聖堂よりは撮りたい気持ちが湧いて来る。
ぜひ夏の 落日時間に撮ってみたい。
5=こういう凄い「石の箱」が市のど真ん中にあり、人々の暮らしは数 百年その回りで営まれて来た。
この聖堂前で遊んで育ち、恋人に出会い、初めてのキスをし、
そこで結 婚式をし、子供を連れて散歩し、
孫の手を引いて前を歩き、葬式の鐘が 鳴る。
6=「知り合ってすぐの頃、ここでパニーノを食べ、5年後にウエディ ングドレス姿で写真を撮ったね・・・」
>> 7=手入れされ過ぎていない片隅が何とも言えない。
かといって南イタリアのように汚いわけではない。
8=エステ城。
街の中心部に大きな堀付きの城があって、市役所として機能していることの凄さ。
9=この、映画のセットのような風景の中を散歩する幸せ。
10=佇むオトコ、飛び出す自転車。
11=「壁ハンター」の私を決して裏切らない、素敵な街。
12=もうー、ピリピリして来ます。
油絵で起こしたい!。
13=何だかどこかで見たような風景。
キリコの絵だな、と感じたのは 最初に来ていた頃、80年代。
「第一次世界大戦が勃発。
ジョルジョは弟とともに召集され、フィレン ツェの連隊に入隊し、北イタリアのフェラーラに数年間生活する。
フェッラーラの街のおもむきが、その後描かれた都市の相貌に影響を及 ぼしたといわれる。」
というのを発見したのはだいぶ経ってから。
14=ベネトン風自転車?
ライトがまったく使われないけれど、無灯火 でもつかまらないのがイタリア。
15=意識して置いても、ここまでは決まらないだろ?
さすがデザイン の国、イタリアだよ。
16=自転車で乗りたい街並、という事が大きなポイント。
17=石畳の美しさに感激しているのは東洋人の私だけ。
18=かつては路上にこういう広告があった。
絶滅寸前の品種ですな。
19=「雪の花」酸素で洗うスーパー洗剤、だそうな。
メーカー自体が もう無いかもね、時は過ぎましたから。
ダヴィンチ風に言うと「橋の下、沢山の水が流れたのさ」。
20=撮り疲れて帰り道、運河に映る夕焼けに心癒される。