イタリア便り特別編。
キド・アイラク・ニホン 3
1=喜。江戸に参勤交代して日本滞在の後半部開始。 連日の宴会が続く 遠征に桐生から出かける。 アジア大陸横断隊の生田隊長と並んで座り、さっそく麦ジュースと柿の種という黄金コンビ。 窓の外に過ぎて行くのは、何だか不思議な地方都市部の景色。街が色っ ぽくないよね。 |
2=楽。学生時代を過ごした小田急線千歳船橋に、もう一人のアジ大メ
ンバーの野口、 それに当時のマドンナ直美ちゃんの4人で集合と言う ゴールデンメンバーの組合わせ。 あのころ、飲み歩いた通りを30年ぶりに歩く。一気に昔に戻る。 |
3=怒。それにしても、果物の値段が高いのにはビックリ。 イタリアと 比べたら、10倍近いのもあるぜ。 果物が少ししか食えないとは、 豊かな国の貧しい食卓? |
4=喜。当時のたまり場の兄貴分だった人の店にて、実にうまいうどん。 沖縄 風だそうだが、酔った時にこのウマさは悪魔的。これ食うために酔っても良いかな。 でもこの店は本来、串焼きが絶品です。 焼きとん喜八=東京都世田谷区経堂3−37−20 TEL 3429−8121 ※小田急線経堂駅から西通り商店街を歩いて、行きは6分程度だが酔っての帰 りは12分程度。 |
5=喜。翌日は一人で渋谷徘徊。まずはラーメン視察。 塩味が素直で、 飽きが来ない。 でも鳴門もシナチクもいらないかな。 第一ウマくないし。 |
6=怒。渋谷駅前の公衆燻製室。 タバコを注射器に置き換えてみると、 みんな、ヤク中毒だと判る。 国が販売している公認ドラッグだからね、文句は言えませんが。 わざわざおカネ払って、不健康を手に入れると言う、かなり複雑な自殺 願望。 |
7=喜。夜は従姉妹夫婦と中華で、もちろんまたラーメン。 ここではカ ンスイ入りと、無し、を選んで食べ比べることが出来る。 ぜひお試しあれ。 鴻運食房 (コウウンショクボウ)、五反田から東急池上線 石川台駅前。 |
8=楽。3匹を片手で仕切る, ということはこの方は両手で6匹の能力が? 冬なんか、犬ぞりで駆けるのも可能ということだぜ!凄いねー! |
9=哀。イタリア映画を見に、神田まで。 従姉妹の旦那に送ってもら う。 途中で高度成長期に国の威信をかけて鉄骨で作り上げたエッフェル塔のパクリもんの下を通る。 この残骸に、モスラが大きな繭を作ったっ け。(年がバレる?) |
10=楽。イタリア映画のあとは、イタリアで仕事した気の合うお客さ
んと恵比寿で再会し、イタリア料理。 材料が新鮮だから、ウマい。 というか、ニホンジンはやはり揚げ物は DNAだな。 白ワインが進む。 |
11=楽。しばらくぶりにイタリア料理を前にしてイタリアの話しで、
思い出に残る夕べ。 こういうパスタ、なかなか見つけるのが難しい。 パルテノペ。 恵比寿駅から徒歩5分。 東京都渋谷区恵比寿 1-22-20恵比寿幸和ビル TEL:03-5791-5663 |
12=楽。7月にイタリアでジェノバツアーをした北村光世さんの自宅
で、 当時のメンバーが僕のために集まってくれることになり、鎌倉まで 出かける。 集合場所には人力車が我々を待っていた!・・・わけない が、面白い風景。 でも結構、重労働だな、これは。 脱サラして始めたら 早々に廃業だ。 |
13=喜。イタ飯屋では絶対に出ない家庭料理の集結したランチとなっ
た。 素朴な素材を、コツを押さえながら究極まで簡潔化した「菜園の恵 み」とでも呼ぶべき前菜の数々。 プロセッコも用意されていて完璧。 |
14=楽。ならば似タリア人の私としては「本物のカルボナーラ」を作
りますよ・・・ということでキッチンに立つ。 本物の条件として、ベー コン、生クリーム、パルミジャーノチーズを一切使わず、 本場ローマで ローマ人が食べるものを再現ということになった。 まずは豚の頬肉塩漬 けを炒めて行く。 美味しそうなアブラがドンドン出て来る。 この肉での 出来上がりを知っている僕もヨダレがドンドン出て来る。 |
15=楽。出来上がり。 本当のローマ人は、スパゲッティでは食べない のだが、 買い置きが無かったので今日はロングパスタで良いことにした。 |
16=楽。北村さんの自宅はいろんなコーナーが素敵で、写真を撮りたくなる。 |
17=楽。やはり食の「周辺文化」というのは限りなく面白く、かつ美しいのだった。 腹を満たせばそれで良いのではない。 食器は食物を抱くものであり、食卓はその食器を戴くもので、そしてその向こうに好きな人がいるわけですよ。 美味しい食卓、これです。 |
18=楽。ハーブ研究家なのでいろんな香草がそこらじゅうに。 |
19=楽。このキッチンに楽しんで立つ、そのためのセンスが料理を美
味しくさせるのだろうと思う。 思い出のワインのコルクが挿んであったら、さらに完璧、マズくなるわ けない。 |
20=喜。数人で盛り上ってしまい、そのまま夕食に近くの海鮮割烹に出かける。 鎌倉の海で揚がる魚を中心にしたデリケートな一品が続く。 |
21=哀。多分、寿司の食べ納めなのでじっくり味わう。 食事中に姉か ら電話。 オフクロの容態が悪化して個室に移ったそうだ。 いよいよ「終わりの始まり」なのだろう。 テーブルに戻り、そのまま食事を続ける。 |
22=喜。日本最後の朝食。 これは千葉のベースキャンプである小野満家の恐怖のアサメシ。 雑炊にこれだけのものが載っているのを、 朝の8 時15分からしっかり食べられる人でないとこの家には滞在できません。 私?全く問題ありませんです、2杯はイケます。 |
23=喜。成田空港で最後のラーメン。 味は3星程度。 スープに 深みが無い。 ここで仕込んでないのだろう。 当たり前か。 |
24=無想。パリから朝一番のボローニャ行きに乗る。 この便だけは絶対に窓際。 雲とアルプスを見て、そうね、地球が生まれたホンの45億年前を 想像するのだ。 曲は、絶対唯一的に「エコーズ」。 しかもスタジオ版とライブ版を続けて聴く。 |
25=結局さ、地面にへばりついて我々が毎日見ている雲は裏側なんだ。 雲の表側は、いつも晴天! 辛くなったら、それを思い出せよ。 |
26=筆さばきが素晴らしい。 |
27=雲の峰。 一瞬現れては、消えて行く頂き。 |
28=雲の海。 あの海底の片隅に、これから帰る街があるんだ。 我々は 大気圏の深海魚? |