第一回 大賞展        2000年5月



この展覧会は、陶芸工房「間」が主催し、当工房の教室生を対象に開かれるものです。
今回はカリキュラム上の展覧会を終了した、上級Eクラスの19名が参加しました。
大きさの制限は30cm立法の中に入るもの。
審査はギャラリー「間」で1週間展示しているなかで、見に来ていただいた方たちが自分の気に入った作品に投票する、という形で行われました。
会期中、500名ほどの来館者があり、われわれスタッフ4名の20票を加えて、最も得票数の多かった作品から、大賞1点、副賞3点が選ばれました。

第1回 大賞作品   鎌形 精二  (上級E-1クラス)

千葉県生涯大学で6年、当教室で4年のキャリアの持ち主。
上級クラス展では、やはり見事な釉薬掛けの作品を出品しました。
この作品は、ベースに陶赤釉、
その上から透明系の釉薬を掛けて黒色を出しています。
釉薬の重ねがけでのデータ-が蓄積されているからこそできた釉調です。
本体はろくろびきです。
高台の形も調和が取れています。


2位 長坂 宏一 (上級E-4 クラス)
陶芸工房「間」教室生の実力派。磁器のろくろびきでも抜群の技術を持っています。
彫を入れる道具もすべて自作。その数も2,30本はある。たんねんに、ていねいに時間を掛けて仕上げていく。
なかなかまねのできない仕事です。


3位 保科 クニ子 (上級E-4 クラス)
作者同様、作品も品の良い仕上がりです。
日本画のような感じでていねいに描かれています。
絵付けはすべて下絵です。濃淡が見事にコントロールされています。構図も安定感があります。
なかなかセンスの良さが発揮された作品です。


4位 斎木 孝子 (上級E-2 クラス)
非常に魅力的な作品です。花のことを熟知しているうえで考えられた形です。
造形的なセンス、土のあつかいもうまい。
釉薬はひとつの色を加える、という感覚で掛けられています。還元炎焼成でさらに複雑な色が加わっています。


出品作品(あいうえお順)

伊藤祐二(E-1)

作るのにむずかしい磁器の皿です。染付けは濃淡が良くコントロールされています。
しかし、多少絵の題材にオリジナリティーが足りない気がします。
加瀬照子(E-1)

絵付けの構成やデザインは、良くできています。
しゃれた感じになりましたが、多少インパクトに欠けたようです。
篠塚勇(E-1)

焼き物とは思えないほど、色紙に描かれた水墨画にそっくり。
意表を突いた作品です。
植松ふみ子

なかなかかわいらしい作品です。
少しおとなしすぎたかも。
青柳弘子

渋い感じの茶器セットです。
細かい造作にもっと注意が必要でした。
中山巌誉

精工にできた作品です。
デザインもいい。もう少し評価があっても良かった気がします。
長谷聡

惜しくも近差で入賞を果せませんでした。
次回を期待してます。
北尾加代子

花を飾ると映える作品です。
こういった展覧会では、地味過ぎたかもしれません。
野口潤子

変わった感じの、個性的な作品でした。
多少、形に工夫が必要だったかもしれません。
鈴木とき子

情感にあふれた、絵画的な作品です。
土の色と化粧、下絵、と計画性のある仕上がりです。
この作品も惜しいところで入賞を逃しました。